フレーシュ・ワロンヌ-Review

アルデンヌクラシック第2戦は、最大勾配26%のユイの壁での上りスプリント決戦。

距離こそ194kmと短いものの、コース距離だけでは一概に判断できない10の急坂が選手を苦しめます。

そして、その難コースをついに大本命が制することとなります。

 

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フレーシュ・ワロンヌ(Charleroi~Huy、194km)-4月18日

 

【結果】

1.ホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ) 4:45:41

2.ミハエル・アルバジーニ(スイス、グリーンエッジ) +04″

3.フィリップ・ジルベール(ベルギー、BMCレーシングチーム) +04″

4.イェーレ・ファネンデルト(ベルギー、ロット・ベリソル) +04″

5.ロベルト・キセロフスキー(クロアチア、アスタナ) +07″

6.ダニエル・マーティン(アイルランド、ガーミン・バラクーダ) +09″

7.バウク・モレッマ(オランダ、ラボバンク) +09″

8.ヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、リクイガス・キャノンデール) +09″

9.ディエゴ・ウリッシ(イタリア、ランプレ・ISD) +09″

10.ユルゲン・ファンデンブロック(ベルギー、ロット・ベリソル) +11″

 

フルリザルト(公式サイト)

 

強い横風の中、エスケープを決めたのはFDJのルーとランドバウクレジットのベレマケルス。

その後数人が2人の追走を試みるも、結局それが許されたのはトップスポルトのアルメのみ。

集団はこの3人を泳がす格好で進みます。

 

3回通過する“ユイの壁”の1回目をクリア後、集団を牽引するのはファネンデルト擁するロットとロドリゲスを何としても勝たせたいカチューシャ。

徐々にペースを上げて、2回目の“ユイの壁”を目指します。

 

2回目の“ユイの壁”を前に、アルメを吸収。

そして集団に動きが。

注目の1人、アンディ・シュレクがチームメートのディディエの発射でアタック。

この動きにカチューシャはトロフィモフを、アスタナはフォフォノフを送り込み、アンディの動きを抑え込みます。

結局、ユイを前にアンディは逃げを断念。

 

2回目の“ユイの壁”で有力選手が次々と前方へ。

エース・アルバジーニの位置取りに力を使った別府選手、ユイの入口で後方へ番手を下げた土井選手はともに、ここでメイン集団から後れを取ります。

 

ゴールまで残り30kmを切って、メイン集団は活性化。

次々とアタックがかかる展開に。

コスタ、ヴィスコンティ、ロハス、キリエンカのモビスター勢が代わる代わるアタック、いずれも一時は集団から抜け出しかけるもカチューシャやロット、BMCのアシストがしっかりとチェック。

激化するメイン集団のペースアップに逃げ2人は太刀打ちできず、吸収されることとなります。

 

最後から2つ目の登坂・Côte de Villers-le-Bouilletをクリアした直後に、ガーミンのエースの1人・ヘシェダルとSKYの売り出し中・ノルドハウグが抜け出しに成功。

2人はローテーションをしながら、メイン集団に対して10秒前後の差をキープ。

そのまま勝負はクライマックスの“ユイの壁”3回目へ。

 

ゴールまで残り500mを前にヘシェダルとノルドハウグは吸収。

代わってスプリントを仕掛けたのはアルバジーニ。

しかし、冷静にタイミングを計ったロドリゲスが残り400mでスピードアップ。

激坂をものともせず後続を大きく引き離し、歓喜のゴール。

上りスプリントとはいえ、2位に4秒差を付ける圧勝劇となりました。

 

最初に仕掛けて以降、自分のペースをゴールまで守り続けたアルバジーニが大健闘の2位。

2連覇を狙ったジルベールは3位、先のアムステル・ゴールドレースでも大活躍したファネンデルトがここでも優勝争いに絡み、結果4位となっています。

 

【戦評】

これまで何度と優勝候補最右翼に挙げられながら、なかなか勝てなかったロドリゲス。

ついにクラシック初優勝を飾りました。

 

とはいえ、やはり勝つべくして勝った感はレースを観ていた誰もが抱いたことでしょう。

同胞であるスペイン勢を多くアシストに従え、終始レースをコントロール。

ライバルチームのアタックのほとんどに誰か1人をチームから送り込み、集団へと引き戻す働きも見事でした。

それもあってか、ロドリゲス自身は最後の“ユイの壁”だけ踏めば良い状況に。

これまで勝てそうで勝てなかった不遇なレースが多かった中、勝つ時はまるで簡単に決めてしまっているかのような圧勝劇。

この勝利を機に、一気に波の乗ることができるか。

次戦・リエージュ~バストーニュ~リエージュは激坂スプリントにはならないことが予想されるだけに、どうレースを組み立てるかに注目。

 

2位のアルバジーニも今シーズンの好調さをそのままにつかんだ好リザルト。

これまではスプリンターチームのトレイン牽引役や、グランツールで逃げて勝利する印象が強かった選手ですが、移籍を機にエースとしての存在感が強くなったと言えそう。

3月のヴォルタ・シクリスタ・ア・カタルーニャの総合優勝で上りの強さを証明したとはいえ、今回の好走は予想以上の出来。

ジェランスが戻ってくるリエージュでは、2枚看板で優勝争いに加わる可能性も高そうです。

また、このレースは他チームより1人少ない7名でレースを作ったチーム力も見逃してはいけないでしょう。

 

復調傾向と囁かれていたジルベールも、まずまずの走りを見せました。

同時に、昨年のアルデンヌハットトリックがいかに凄かったかを改めて感じさせられる点は致し方ないか。

とはいえ、レース全体を見ながら位置取りやアシストを統率する姿勢はさすが。

好調の2人には後塵を拝したとはいえ、やはり持っているものの違いを見せているのが今の走りに表れていると言えるでしょう。

やはりコースレイアウトからすれば、ここまでの2レースより上りが緩く、ゴール前はほぼ平坦となるリエージュが最もジルベール向き。

スプリントの強さもあるだけに、チーム一丸となって2連覇を勝ち取りに行くはず。

 

4月22日に控えるリエージュを見据えここを回避した選手が多かったとはいえ、殊勲のリザルトをマークした選手が多かったのが印象的。

アムステルの2位に続き4位に入ったファネンデルトは、もはやクラシックハンターの1人に。

また、アスタナのエースに成長したキセロフスキーの5位、アムステル10位のモレッマはここでも安定感を発揮し7位。

昨年のジロステージ1勝の22歳・ウリッシの9位入線も、将来を嘱望されるイタリア人ライダーとしては見通しの明るい走りとなったことでしょう。

 

いまや活躍を義務付けられていると言っても過言ではない日本人選手。

別府選手はレース前半の位置取りに力を使い、2回目のユイでお役御免。

トップから9分50秒差の117位でゴールも、アルバジーニの2位に大きく貢献。

一方の土井選手も、2回目のユイで番手を下げたことがきっかけで集団から脱落。

5分04秒差の100位でゴール。

2人ともにリエージュへの出場が決定しており、さらなる活躍に期待したいものです。

 

フレーシュ・ワロンヌオフィシャルサイト http://www.letour.fr/indexFWH_fr.html

 

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