ツール・ド・ロマンディ2013(UCI WorldTour)-Review

春のクラシックが終わり、本格的なステージレースの幕開けともなるツール・ド・ロマンディ。

スイス西部のフランス語圏、ロマンディ地方を舞台に行われるレースは、丘陵地帯を利用した起伏に富んだコースレイアウトが特徴。

山岳、TTなどバランスがとられたステージ構成で、6日間の日程で争われます。

本エントリーでは、各ステージのリザルトやレース内容を写真や動画を交えて随時アップしていくこととします。

 

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ツール・ド・ロマンディ2013(UCI WorldTour)-4月23-28日

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tdr2013carte-schematique

fleche2013parcoursimages: Tour de Romandie

 

●プロローグ(ル・シャーブル~ブルゾン、7.45km)-4月23日

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00_map_01images: Tour de Romandie

 

【結果】

1.クリス・フルーム(イギリス、Sky) 13:16

2.アンドリュー・タランスキー(アメリカ、ガーミン・シャープ) +06″

3.ロベルト・キセロフスキ(クロアチア、レディオシャック・レオパード) +13″

 

【総合】

1.クリス・フルーム(イギリス、Sky) 13:16

2.アンドリュー・タランスキー(アメリカ、ガーミン・シャープ) +06″

3.ロベルト・キセロフスキ(クロアチア、レディオシャック・レオパード) +13″

 

●チーム総合

Sky 40:22

 

●ヤングライダー賞

ティボー・ピノ(フランス、FDJ) 13:33

 

フルリザルト(公式サイト)

 

ここ数年はテクニカルなコースが特徴だったプロローグは、今年から山岳TTの様相に。

7.45kmを高度にして約300m上ります。

 

中盤のグループでスタートしたピノが13分33秒をマークすると、しばらくトップタイムに。

注目されたライダー・ヘシェダル(カナダ、ガーミン・シャープ)、ロベルト・ヘーシンク(オランダ、ブランコ)らはタイムを伸ばせず。

 

後半のグループに入ると、続々とトップタイムが塗り替えられていくことに。

ルイ・コスタ(ポルトガル、モビスター)がピノのタイムを1秒上回ると、リッチー・ポート(オーストラリア、Sky)がさらに1秒短縮。

最終グループでは、優勝候補だったトニー・マルティン(ドイツ、オメガファルマ・クイックステップ)がタイムを伸ばせず苦しむ一方、昨年総合2位のタランスキーがポートのタイムを9秒上回ることに成功。

そして、最終走者フルームを待ちます。

 

スタートから快調に飛ばすフルームは、前にスタートしたダニエル・モレノ(スペイン、カチューシャ)を追い抜く勢い。

結局、タランスキーを6秒上回りステージ優勝、そしてリーダージャージの獲得に成功しています。

Prologue du TDR 2013Photo: Tour de Romandie

 

 

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●第1ステージ(サン・モーリス~ルナン、176.8km)-4月24日

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01_map_01images: Tour de Romandie

 

【結果】

1.ジャンニ・メールスマン(ベルギー、オメガファルマ・クイックステップ) 4:29:09

2.ジャコモ・ニッツォロ(イタリア、レディオシャック・レオパード) s.t.

3.ロベルト・フェラーリ(イタリア、ランプレ・メリダ) s.t.

 

【総合】

1.クリス・フルーム(イギリス、Sky) 4:42:24

2.アンドリュー・タランスキー(アメリカ、ガーミン・シャープ) +06″

3.ロベルト・キセロフスキ(クロアチア、レディオシャック・レオパード) +13″

 

●チーム総合

Sky 14:07:49

 

●ヤングライダー賞

ティボー・ピノ(フランス、FDJ) 4:42:41

 

●山岳賞

ガリコイツ・ブラーボ(スペイン、エウスカルテル・エウスカディ) 14pts

 

●スプリント賞

ジュリアン・ベラール(フランス、アージェードゥーゼル・ラモンディール)

 

フルリザルト(公式サイト)

 

序盤に飛び出した3名の逃げは、60km地点でメイン集団に対し5分のリード。

差はそれ以上開くことはなく、少しずつ縮まる傾向に。

そんな中、ホセ・ルハノ(ベネズエラ、ヴァカンソレイユ・DCM)やアドリアーノ・マローリ(イタリア、ランプレ・メリダ)ら4名がカウンターアタックをする場面も。

 

しかし、メイン集団はSkyが徹底してコントロール。

ピエール・ローラン(フランス、ユーロップカー)などがアタックをするも、いずれも吸収。

また、残り25kmでマティアス・ブランドル(オーストリア、IAMサイクリング)、ジェレミー・ロワ(フランス、FDJ)が抜け出し、残り15kmで25秒リードするも、残り8kmで吸収。

 

3級2つ、2級1つとカテゴリー山岳をクリアするレイアウトにもかかわらず、ほとんどの選手が集団に残り、ゴールスプリントへと向かいます。

主導権を握るチームが現れないまま、スプリント態勢へ。

各チームバラバラになる中、抜け出したのはメールスマン。

メカトラで脱落したマーク・カヴェンディッシュに代わっての勝負ながら、見事に勝利。

最後追い込んだニッツォロが2位。

 

5位と健闘したケヴィン・レザ(フランス、ユーロップカー)を終盤引き上げた新城選手は、アシストを終えて1分13秒遅れでゴールしています。

Gianni Meersmann remporte la 1ere etape du TDR 2013Photo: Tour de Romandie

 

 

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●第2ステージ(プリイ~グランジュ、190.3km)-4月25日

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02_map_01images: Tour de Romandie

 

【結果】

1.ラムナス・ナヴァルダスカス(リトアニア、ガーミン・シャープ) 4:51:49

2.エンリコ・ガスパロット(イタリア、アスタナ) s.t.

3.ジャンニ・メールスマン(ベルギー、オメガファルマ・クイックステップ) s.t.

 

【総合】

1.クリス・フルーム(イギリス、Sky) 9:34:13

2.アンドリュー・タランスキー(アメリカ、ガーミン・シャープ) +06″

3.ロベルト・キセロフスキ(クロアチア、レディオシャック・レオパード) +13″

 

●チーム総合

Sky 28:43:16

 

●ヤングライダー賞

ティボー・ピノ(フランス、FDJ) 9:34:30

 

●山岳賞

ガリコイツ・ブラーボ(スペイン、エウスカルテル・エウスカディ) 16pts

 

●スプリント賞

ジュリアン・ベラール(フランス、アージェードゥーゼル・ラモンディール)

 

フルリザルト(公式サイト)

 

約4分のリードで逃げていたグループは、残り約20kmの3級山岳プラーニュで吸収。

Skyがコントロールしていたメイン集団に、アスタナが加わりペースアップ。

ピエール・ローラン(フランス、ユーロップカー)、ホセ・ルハノ(ベネズエラ、ヴァカンソレイユ・DCM)のほか、アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)、ピノらが次々とアタックを繰り出すも、いずれも決定打にはいたらず。

 

最後は中集団のスプリントへ。

BMCやアスタナが前方に位置取り、最終コーナーを通過。

前方5人と後続とに中切れが起きた瞬間に飛び出したナヴァルダスカスのロングスプリントが冴え、そのまま逃げ切り勝利。

タイミングを合わせたに見えたガスパロット、後方から猛然と追い込んだメールスマンらも届かず。

 

総合順位には大きな変動なく、この日を追えています。

2e etape du  TDR 2013Photo: Tour de Romandie

 

 

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●第3ステージ(パイェルヌ~パイェルヌ、181km)-4月26日

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03_map_01images: Tour de Romandie

 

【結果】

1.ジャンニ・メールスマン(ベルギー、オメガファルマ・クイックステップ) 4:19:03

2.フランチェスコ・ガヴァッツィ(イタリア、アスタナ) s.t.

3.ミハエル・アルバジーニ(スイス、オリカ・グリーンエッジ) s.t.

 

【総合】

1.クリス・フルーム(イギリス、Sky) 13:53:16

2.アンドリュー・タランスキー(アメリカ、ガーミン・シャープ) +06″

3.ジャンニ・メールスマン(ベルギー、オメガファルマ・クイックステップ) +09″

 

●チーム総合

Sky 41:40:25

 

●ヤングライダー賞

ティボー・ピノ(フランス、FDJ) 13:53:33

 

●山岳賞

マルクス・ブルグハート(ドイツ、BMCレーシングチーム) 22pts

 

●スプリント賞

マティアス・ブランドル(スイス、IAMサイクリング) 18pts

 

フルリザルト(公式サイト)

 

この日逃げに入ったブルグハート、ブランドルの2人はそれぞれポイントを稼ぎ、山岳賞、ポイント賞ランキングトップに。

メイン集団は、Ωクイック、Skyがコントロールし、逃げや集団からのアタックを許さず。

 

スプリント態勢に入ろうとしていた残り7kmでアドリアーノ・マローリ(イタリア、ランプレ・メリダ)がアタック。

独走力の高いマローリは、集団との差を15秒前後で維持。

 

しかし、残り400mで吸収。

最後は、真っ先にスプリントを開始したアルバジーニの動きに合わせたメールスマンが、追いすがるガヴァッツィのラインを上手く潰しながら先頭でゴール。

好調のメールスマンは今大会2勝目。

 

総合有力勢には大きな変動なく、翌日のクイーンステージを迎えることに。

3e etape du  TDR 2013Photo: Tour de Romandie

 

 

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●第4ステージ(マルリー~レース・ディアブレレ、188.5km)-4月27日

04_deniv_01 04_map_01images: Tour de Romandie

 

【結果】

1.シモン・スピラック(スロベニア、カチューシャ) 5:10:00

2.クリス・フルーム(イギリス、Sky) s.t.

3.ルイ・コスタ(ポルトガル、モビスター) +1’03”

 

【総合】

1.クリス・フルーム(イギリス、Sky) 19:03:10

2.シモン・スピラック(スロベニア、カチューシャ) +47″

3.ルイ・コスタ(ポルトガル、モビスター) +1’21”

 

●チーム総合

Sky 57:14:39

 

●ヤングライダー賞

ティボー・ピノ(フランス、FDJ) 19:04:36

 

●山岳賞

マルクス・ブルグハート(ドイツ、BMCレーシングチーム) 46pts

 

●スプリント賞

マティアス・ブランドル(スイス、IAMサイクリング) 19pts

 

フルリザルト(公式サイト)

 

今大会のクイーンステージは、雪の影響で一部コースが変更に。

そうした中、山岳ポイント狙いのブルグハートらが先行し、レースが進行。

中盤のパス・デ・モージャンで逃げメンバーから、アルトゥール・ヴィショ(フランス、FDJ)が抜け出し独走を開始します。

 

この日最後の1級山岳コル・デ・ラ・クロワへの上りに入ると、トニー・マルティン(ドイツ、オメガファルマ・クイックステップ)がアタック。

ヴィショに追い付くと、勢いそのままに独走態勢に。

しかし、ペースの上がるメイン集団に吸収され、レースは振り出しに。

 

総合上位勢が次々とアタックを繰り出す中、決定的な動きを見せたのはスピラック。

頂上手前で抜け出すと、これに反応できたのはフルームただ1人。

そのまま2人でダウンヒルを開始。

 

ステージ狙いのスピラックと、総合タイム差を広げたいフルームとの利害が一致し、協力しながらゴールへ。

スピラックが先頭でゴールを通過し、続いてフルームもゴール。

3位以下に1分以上の差を付け、フルームは翌日の最終TTに余裕を持って臨むことができる形に。

スピラックも総合2位に浮上しています。

4e etape du  TDR 2013Photo: Tour de Romandie

 

 

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●第5ステージ(ジュネーヴ、18.6kmITT)-4月28日

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05_map_01images: Tour de Romandie

 

【結果】

1.トニー・マルティン(ドイツ、オメガファルマ・クイックステップ) 21:08

2.アドリアーノ・マローリ(イタリア、ランプレ・メリダ) +16″

3.クリス・フルーム(イギリス、Sky) +34″

 

最終日は、ほぼフラットなレイアウトでの個人TT。

 

まずはマローリが21分台前半のタイムをマーク。

それまで上位に顔を出していた選手たちを圧倒する走りを見せます。

 

有力選手たちがスタートする中で、際立っていたのはマルティン。

第1計測からトップタイムを記録し、そのままの勢いでゴールへ。

マローリを16秒上回るタイムをマークし、結果的にステージ優勝となります。

 

総合トップのフルームも、TTの強さを発揮。

マルティンから34秒遅れのステージ3位とまとめ、総合優勝を決定させています。

TOUR DE ROMANDIE 2013 TDR CYCLISMEPhoto: Tour de Romandie

 

 

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【最終成績】

●総合

1.クリス・フルーム(イギリス、Sky) 19:24:51

2.シモン・スピラック(スロベニア、カチューシャ) +54″

3.ルイ・コスタ(ポルトガル、モビスター) +1’49”

4.トム・ダニエルソン(アメリカ、ガーミン・シャープ) +1’54”

5.ウィルコ・ケルデルマン(オランダ、ブランコ) +2’03”

6.ジャン・クリストフ・ペロー(フランス、アージェードゥーゼル・ラモンディール) +2’14”

7.ユルゲン・ファンデンブロック(ベルギー、ロット・ベリソル) +2’16”

8.リッチー・ポート(オーストラリア、Sky) +2’31”

9.アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター) +2’32”

10.マルセル・ウィス(スイス、IAMサイクリング) +2’41”

 

●チーム総合

Sky 58:20:44

 

●ヤングライダー賞

ウィルコ・ケルデルマン(オランダ、ブランコ) 19:26:54

 

●山岳賞

マルクス・ブルグハート(ドイツ、BMCレーシングチーム) 46pts

 

●スプリント賞

マティアス・ブランドル(スイス、IAMサイクリング) 19pts

 

フルリザルト(公式サイト)

 

【戦評】

本格的な山岳ステージが1つだけだったとはいえ、2つのTTステージと合わせて、フルームの力が際立っていた6日間でした。

先のリエージュ~バストーニュ~リエージュでは不発とも言えた走りでしたが、ステージレースになるとさすがの力を発揮。

TTで安定した走りを見せ、クイーンステージでもライバルの動きを見ながら貯金を築く、トップに君臨するステージレーサーならではの走りだったと言えるでしょう。

 

2010年には繰り上げで総合優勝に輝いているスピラックは、今回も総合2位と大会との相性の良さ。

クイーンステージとなる第4ステージでは、決定的なアタックを決め、あわや独走かというキレのある走りを見せました。

TTでもステージ上位でまとめる力があり、1週間程度のステージレースでは今後も上位に顔を出す選手になるはず。

 

この後に控えるジロ・デ・イタリア参戦組は、途中リタイア組がいたとはいえ、総合上位に入り調整が順調であることを示した選手も多数。

総合4位のダニエルソンや、最終TTで崩れたとはいえキセロフスキも全体を通して上々の走り。

総合5位のケルデルマンは、マリア・ビアンカ獲得の期待がかかります。

 

第4ステージでリタイアしたものの、それまでにステージ2勝を挙げたジャンニ・メールスマン(ベルギー、オメガファルマ・クイックステップ)はスプリンターで最も目立った選手。

ジロに向けた調整もあり、無理をしなかったマーク・カヴェンディッシュ(イギリス)に代わり、十分すぎるほどの存在感を発揮。

 

ジロ組はもとより、ツール・ド・フランスを目指す選手たちにとっても、このレースを経ていよいよエンジンがかかってくることとなります。

 

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ツール・ド・ロマンディオフィシャルサイト http://www.tourderomandie.ch/

 

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