リエージュ~バストーニュ~リエージュ2013(UCI WorldTour)-Review

アルデンヌクラシック最終戦にして、春のクラシックシーズンの閉幕を告げるレース。

例年それにふさわしい名勝負が繰り広げられていますが、今年も違わぬ好レースとなりました。

レースから時間が少し経ちましたが、いま一度振り返ってみたいと思います。

 

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リエージュ~バストーニュ~リエージュ2013(UCI WorldTour、リエージュ~アン、261.5km)-4月21日

LBL2013pos

fleche2013parcours

PROFIL

PROFILKMSimages: Liège – Bastogne – Liège

 

【結果】

1.ダニエル・マーティン(アイルランド、ガーミン・シャープ) 6:38:07

2.ホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ) +03″

3.アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター) +09″

4.カルロス・アルベルト・ベタンクール(コロンビア、アージェードゥーゼル・ラモンディール) +09″

5.ミケーレ・スカルポーニ(イタリア、ランプレ・メリダ) +09″

6.エンリコ・ガスパロット(イタリア、アスタナ) +18″

7.フィリップ・ジルベール(ベルギー、BMCレーシングチーム) +18″

8.ライダー・ヘシェダル(カナダ、ガーミン・シャープ) +18″

9.ルイ・コスタ(ポルトガル、モビスター) +18″

10.サイモン・ゲランス(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ) +18″

 

フルリザルト(公式サイト)

 

261.5kmのコース内に11のカテゴリー付きの登坂区間が設けられ、それ以外にも大小さまざまなアップダウンが続くレイアウト。

昨年までと比較して、一部コース変更はあれど、サバイバルレースの様相は変わらず。

 

バルト・デクレルク(ベルギー、ロット・ベリソル)を中心とした6名の逃げは、最大で14分差。

その後はメイン集団が追走を開始し、残り100kmを切ると差は5分以内へと変わります。

そんな状況下で、逃げ集団内で最も脚があると見られたデクレルクにパンク発生。

ニュートラルカーからのホイールはギアが合わず、たびたび足止めを食い脱落。

 

残り40kmを切って登場のコート・ド・ラ・ルドゥートで有力どころが動き始めます。

そこから抜け出したのは、ダヴィ・ロペス(スペイン、Sky)、ヤコブ・フグルサング(デンマーク、アスタナ)、ダミアーノ・クネゴ(イタリア、ランプレ・メリダ)ら7名。

強力なメンバーが揃ったことにより、メイン集団はBMCを中心に追走。

残り25km付近で全選手を吸収し、レースは振り出しに。

 

最後から2つ目のカテゴリー登坂コート・ド・コロンステで、アルベルト・コンタドール(スペイン、サクソ・ティンコフ)がアタック。

これにリゴベルト・ウラン(コロンビア、Sky)、ヘシェダル、イゴール・アントン(スペイン、エウスカルテル・エウスカディ)らが乗り、メイン集団に対し少しずつリードを広げます。

その中から、ヘシェダルが単独で抜け出すことに成功。

ゴールまで約10kmを残して独走態勢に突入します。

 

最後のカテゴリー登坂となるコート・ド・サン・ニコラへ。

19秒のリードで上り始めたヘシェダルに対し、メイン集団は徐々に差を縮めにかかります。

すると、ベタンクールが集団からアタック。

これにスカルポーニが反応し、ロドリゲス、バルベルデ、マーティンが合流。

反応が遅れたジルベールやアスタナ勢を振り切り、ヘシェダルを捕まえて最終盤へ。

 

先頭集団は、ヘシェダルが脚を残すマーティンのために強力に牽引。

追うメイン集団はヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、アスタナ)が必死に牽くも、差は広がる一方。

 

いよいよ勝負は、ゴールへと向かうアンの上りへ。

一瞬の隙を突いてロドリゲスがアタック。

しかし、緩斜面ゆえロドリゲスの動きにマーティンが落ち着いて対応。

徐々に差を詰めて追い付くと、残り300mでスプリント開始。

そのまま最終コーナーをクリアして、歓喜のゴールへ。

マーティンにとって、初のクラシック勝利を飾ります。

LBL2013fnafp©AFP

 

最後は力尽きたロドリゲスが2位、3位争いのスプリントはバルベルデが制しています。

先頭集団を追い切れなかった追走グループは、ガスパロットが先頭で6位に。

優勝候補の本命とされたジルベールは7位に終わっています。

 

 

【戦評】

サイクルポータルサイト・cyclistにて連載中の「週刊サイクルワールド」で、ほぼ戦評的な内容を寄稿させてもらっています。

よろしければ、まずはそちらをお読みいただけますと嬉しいです。

ステージレーサーが持ち味を発揮したリエージュ そして戦いの場はジロへ

 

上位入線のほとんどがステージレーサー。

アップダウンの大小だけでなく、1つ1つの登坂距離の長さがオールラウンダーやクライマー向きとされるレースですが、今回はまさにそれが働いたと言えそう。

 

そうした中で、マーティンの勝利は上りやスプリントのキレはもとより、数的優位を作り出したチームとしての展開の妙とも捉えられるでしょう。

殊勲のヘシェダルは、あわや逃げ切りかと思わされる決定的なアタックで、ライバルが動かざるを得ない状況を作り出すことに成功。

そして、後続が合流後もマーティンのために献身的に牽引し、追いすがる有力どころを蹴散らす圧巻の走り。

マーティン、ヘシェダルともに本格的なレース参戦が3月からと、ゆっくりとシーズンインしたことで、この時期に脚が上手くできあがっていたことも要因か。

 

2位のロドリゲス、3位バルベルデの2人には、やはり勾配の緩さが終盤の勝負どころで左右したかもしれません。

とはいえ、ロドリゲスの最終局面でのアタックは、勝負勘の冴えが生んだもの。

勝つために行うべき戦法を駆使していたことは間違いないでしょう。

 

4位のベタンクールは、このアルデンヌ3連戦でのハイアベレージで一躍今後が嘱望される存在に。

特にアタックの強力さは随一。

一発ハマればビッグな勝利をものにすることは大いに可能でしょう。

終盤のキレでは分が悪いスカルポーニも5位とまずまず。

来るジロ・デ・イタリアに向けて上々と見て良さそう。

 

クラシックハンターは完全に力負け。

特に大注目だったジルベールは、レース後半にたびたび起こる動きへの対応が遅れがちだった点に、現在の調子が現れていたか。

序盤から中盤にかけてアシストが集団牽引を担い、後半には人数を減らしていたことも影響していたかもしれません。

 

戦いの場は、クラシックレースからステージレースへと移行。

この時期に活躍した選手たちが、ステージレースでどういった走りを見せるか、そしてクラシックでの走りがリンクしてくるかにも注目するとおもしろいかもしれません。

 

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リエージュ~バストーニュ~リエージュオフィシャルサイト

http://www.letour.fr/us/homepage_courseLBL.html

 

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